ゴルフスイングとグリップ
ゴルフスイングには、手打ち、体打ち、両者の融合系の3種類があります。
手打ちや融合系スイングは動作の自由度が高いので、フックやスライスし易く、また、小さな筋肉を使っているため飛距離が出ません。
クラブを最も振りあげた時に、周囲の人と普通に話せたら、手打ちや融合系です。
体打ちスイングと日本で呼ばれているアメリカでは標準のゴルフスイングは、スイングがシンプルで、ボールが真っ直ぐ飛び、飛距離も伸びます。アメリカのトッププロと同じ美しい打ち方です。
本ページでは、体打ちスイングに適したグリップ方法を説明します。
ご注意:手打ちや融合系スイングに、以下説明するグリップを使うと、スコアが悪化します。
ゴルフのグリップの考え方
体打ちスイングでは、インパクト時に、手や腕が、セットアップ時と同じ位置に自然に戻る動作をしています。(フェースがスクエアに戻ります。)
その動作のためには、手と腕の関節が柔軟である必要があります。ところが、手や腕に力を入れると、手と腕の関節が硬くなってしまいます。
グリップは、遠心力でクラブが飛ばない程度の弱い力で握ります。
手の「しわ」の呼び方定義
人差し指から小指の「しわ」
指先から指の根元に向かって、「第一関節のしわ」「第二関節のしわ」「指の根元のしわ」と、ここでは呼びます。
解剖学では、遠位指節間皮線、近位指節間皮線、手掌指節皮線。
手の平中央の「しわ」
手の平中央にあり、前腕の延長線と垂直に交わるしわを「手の平中央のしわ」と、ここでは呼びます。
手相では運命線と感情線の足し合わせ。解剖学では、近位手掌皮線、遠位手掌皮線。
生命線
手を広げた後、親指の第三関節のみを小指のつけ根方向に曲げた時、「手の平中央のしわ」より手首側に向かい出来るしわで、手相の呼び名で呼びます。
解剖学では、母指球皮線。
ゴルフのグリップの方法
左手のグリップ
力が入りにくい、フィンガー・グリップにします。標準的なフィンガー・グリップを下に図示します。
赤い線は、クラブのグリップ左側面と、手が接する線です。青い線は、クラブのグリップ下面と、手が接する線です。
手や指の形は人それぞれなので万人に正解のフィンガー・グリップはありません。
この図を元に、ご自分のグリップを探して下さい。
但し、「手のひら中央のしわ」とクラブのグリップは、決して平行になりません。
中指・薬指・小指の表面と、クラブのグリップが接する面積を最大にします。指3本で握ります。
特に、小指の「指の根元のしわ」と、クラブのグリップの間に、隙間が出来ない様に注意します。(隙間はダウンスイング開始時の握り直しに繋がります。握り直しは小さなキャスティングを発生させ、ヘッド速度が低下します。)
人差し指は、「第一関節のしわ」と「第二関節のしわ」の間、あるいは、「第一関節のしわ」の上に、クラブのグリップ下面(青い線)が載ります。
親指は、ゴルフクラブのグリップの真上ではなく、真上より右側に寄ります。
握る位置は、正確に毎回同じ場所を握ります。クラブのグリップは目印になる模様入りがお勧めです。
握る位置が変わると、クラブのグリップの太さが変わり、握る力が変わり、手首や腕の柔軟性が変わってしまいます。
クラブのグリップ表面の摩擦抵抗は、力を入れずにスイングするために、とても重要です。使用後の手入れや、早めの交換を欠かさないで下さい。
右手のグリップ
中指・薬指の表面とゴルフクラブのグリップが接する面積を最大にします。指2本で握ります。
「生命線」か「手のひらの中央のしわ」を左手の親指に重ねます。右手に隠され、左手の親指は見えなくなります。
小指は、左手の人差し指と中指の間の凹部の上に置く「オーバーラッピング・グリップ」か、左手の人差し指と絡める「インターロッキング・グリップ」にします。
「インターロッキング・グリップ」は、軽く絡めるだけです。根元まで、力一杯ガッチリ組み合わせると、関節が硬くなります。
人差し指は、軽くグリップに当たる様にします。
親指の先は、グリップの真上ではなく、真上より左側に寄ります。
グリップの注意点
グリップの再現性を保つため、クラブのグリップを握る手順(ルーチン)を決め、必ず毎回行って下さい。
例えば、「左手をだらんと垂らした状態で、ソールを地面につけて置いたクラブのグリップを握る」とか、「左腕を水平にして、上45度に傾けたクラブのグリップを握る」などです。
体打ちスイングの動作が身についたら、ゴルフボールを打ちながら、微調整をします。
力を込めたり、手の平で握るなど、グリップが間違っていると、そのあとの動作が完璧でも、ゴルフボールは安定して遠くに真っ直ぐ飛びません。
グリップの誤りを知らせてきます。付属DVDには、グリップのレッスンもあります。