猫の知識
猫よけ・猫退治・猫撃退を効果的に行うには、猫についての正しい知識が必要です。
全世界の飼い猫・ノラネコの祖先は、地中海東岸で人になついたリビアヤマネコでした。
昼夜の寒暖差が激しい乾燥地帯で、待ち伏せ狩りをしていた祖先の体質・習性を色濃く残し、人に飼われたことで性格が多様化したのが、現在のイエネコ(飼い猫・ノラネコ)です。
性格 | 多様性 | 野生を離れ家畜化した動物は、性格が多様化します。猫も、簡単に追い払える臆病で神経質な個体から、簡単には追い払えない鈍感で神経が図太い個体まで、さまざまです。 |
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慣れ | 新しいこと(猫よけ)に対する慣れの早さも、個体によって大きな差があります。 | |
安全確保 | 身の危険を避け、自己の安全確保を最優先に行動します。 |
目 | 色覚 | 赤は見えず、黒と認識します。全体的に青っぽい世界を見ています。 |
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視野 | 280゜の範囲が見えます。(ヒトは210゜) | |
静止視力 | 視力は0.3程度の近眼です。飼い主さえ、近くまで寄らないと識別できません。 | |
動体認識 | 静止視力は低いのですが、移動物体はヒト並みに検出が可能です。(テレビの画像をヒトと同じように見ることが出来ます。) | |
暗視能力 | 視細胞の奥にタペータム層(反射層)が有り、暗闇ではヒトの6~7倍の感度があります。しかし、昼間に輝く光を怖れたりしません。 |
耳 | 聴覚障害 | 毛が白く、目が青い猫の多くは、耳が全く聞こえません。(遺伝的特性) |
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音源方向の認識 | 音源の方向認識能力はヒトより高く、0.5度の誤差で方向が判ります。(ヒトは4.2度の誤差。) | |
高音 | 日常猫が聞いている音の周波数は6kHzまでですが、周波数78kHzまでの高音も聞こえています。ただ、高音ほど聞こえ難く、4才半までに高音認識能力は著しく低下します。 (二十歳頃の少数の米国男子が、周波数20kHzまでの高音を聞くことが出来ます。加齢と共に、ヒトも高音が聞こえなくなります。 超音波とは、周波数が20kHz以上の高い音のことを指します。超音波はヒトに聞こえないだけの単なる音で、特殊な力は有りません。) | |
嫌いな音 | 予測困難な行動で、猫には迷惑なヒトの子どもが発する騒ぎ声や、ヒトも嫌がる騒音(掃除機などの人工の音)が、苦手と報告されています。 (「苦手・嫌い」と、「身の危険」は、全く別の話です。身に危険が及ばないと判ると、すぐ慣れます。) |
鼻 | 嗅覚 | 狩りに嗅覚を使用しておらず、他の動物に比して嗅覚(弱い臭いをかぎ分ける能力)は、劣っています。それでも、ヒトよりは優れています。 |
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好き嫌い | ヒトも嫌がる、強力な臭気(窒素化合物・柑橘系・たばこ・香水)を嫌う猫は多いのですが、ミカンを好む猫も多いといわれています。 (「苦手・嫌い」と、「身の危険」は、全く別の話です。身に危険が及ばないと判ると、すぐ慣れます。) |
体毛 | 撥水性 | 犬などと異なり、猫の体毛には脂分が少なく、水をはじきません。体に掛かった水は皮膚まで濡らし、猫の体温を下げます。気温が低い時は、生命の危機にさらされます。 猫にとって濡れることは、「身の危険」と感じ、極端に怖れます。 |
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習性 | テリトリー | 他者を入れない家周りの「ホームテリトリー」(狭義の縄張り)と、 他者と共有する「ハンティング・テリトリー」(狩り場・集会場・糞場などを含む、猫の行動範囲)があります。 ハンティングテリトリーの広さは、半径数十~百m程度で、オス猫やノラネコの方が広くなります。 自己の安全確保のため、飼い猫も、食べ物を得る場所(狩り場)を確保しています。 そのハンティングテリトリーの状況を確認しておくため、猫はパトロールを行い、途中、マーキング(臭い付け)を行います。 |
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通常排泄 | 乾燥している砂の上や、耕したばかりの土など、粒が細かい掘りやすい場所を排泄場所に好みます。 マーキング(臭い付け)の時以外、排泄物は砂や土に埋めます。排泄場所は、数カ所に決めています。排泄場所が、糞尿で汚れていることを嫌います。 |
臭い付け | スプレー | ハンティングテリトリー内の猫の視線で目立つ場所を選び、後ろ足を伸ばして立ち、出来るだけ高く尿を掛けます。 尿内化学物質は、時間と共に分解して臭いが変化します。他の猫はその臭いでスプレー後の経過時間を知ると言われています。スプレー行為に、他者を排除する機能はありません。 |
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発情期 | 最低限の餌しか得ていないノラネコの発情期は1~3月だけです。しかし、餌を十分与えられているノラネコと飼い猫の発情期は、1~3月の他、5~6月と10月にもあります。メスの発情期は、日照時間と餌の量によって開始時期が変化します。 発情期のオスのノラネコの行動範囲の広さは、普段の3~4倍に広がります。 | |
発情期のスプレー | 発情期の尿には、性フェロモンが多量に含まれる。オス猫の性フェロモンは、刺激臭が特に強くなります。 オス猫もメス猫も、マーキング場所が増加します。(メス猫は、発情期の最初の数日間のみです。) | |
糞マーキング | 良く目立つ場所に糞を残す行為は、とても図太い性格の猫のみが行う、非常にまれで大胆な自己アピール行為です。 (追い払い易い、小心な猫には出来ません。) | |
爪研ぎ | 爪の周囲に臭腺があり、爪を研いでいるだけでなく、分泌物質を擦りつけてマーキングしています。 |
猫よけの方法・グッズ・装置
猫よけのグッズ・装置が各種市販され、また、お手軽な猫よけ方法がWebなどで紹介されています。
全く効果のない方法から、一部の猫には一時的に効果を示す装置やグッズ、また、法令に違反する方法、更に、人体にも危険が及ぶ方法・装置まで、いろいろです。
注意しなければならないのは、対象の猫の性格によって、追い払いやすさが大きく異なることです。
特に、糞害を起こすほど、神経の図太い猫が相手の場合、「苦手・嫌い」レベルの猫よけグッズや猫よけ装置では、糞害やマーキングを無くすことは出来ません。
猫に「危険な場所」と認識させる必要があるのです。
猫よけ | 手法の説明 | 猫の反応 | 問題点 |
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水を入れたペットボトル | 太陽光の反射光や屈折光を猫に見せます。 | 全く反応しません。 | 猫よけの効果は全くありませんが、住宅火災を発生させる危険があります。早急な撤去を強くお勧めします。(消防科学総合センターのページ ペットボトルの「収れん」による火災事例について) |
剣山状の侵入阻止具 (トゲトゲのシート・割れガラス・割り箸) |
プラスチック製の剣山状グッズを進入路の地面にひきます。 また、割れたガラスや割り箸を地面に刺しておきます。 |
通路を変えたり、飛び越えたり、そっと上を歩きます。 | 飛び越えられない幅で庭の全周に敷き詰める必要があります。 また、飼い猫(猫は近眼です)が、塀から侵入阻止具などに飛び降りて負傷した場合、刑法(器物損壊)・民法(損害賠償)・動物愛護管理法(ノラネコを含む愛護動物虐待)の対象になります。 尚、設置者や家族が転び、侵入阻止具に手や尻をつくと、とても痛そうです。 |
ネット | 猫の進入路を完全に塞ぎます。 | すき間や上から侵入して来ます。 | 敷地周りをかなりの高さまで張り巡らす必要があります。見ばえも悪くなります。太陽の紫外線による劣化が早く、維持に結構手間が掛かります。 |
薬剤・臭いの強い植物類 (市販忌避粉末・柑橘類の皮・タバコの葉や吸殻・コーヒーかす・茶がら・ニンニク・唐辛子・木酢液・酢・クレゾールなど) |
猫が嫌いそうな強い臭いを発する物を撒きます。 | 気にしないか、初めは気にしても、数日後には慣れてしまいます。 | 効果を出すには、人間がきついと感じる程の強烈な臭いが必要です。ご近所や家族から苦情が出ることがあります。 薬剤などの臭気は、雨が降るとほとんど消えてしまいます。 慣れるのが早く、数日で違う種類の薬剤を撒く必要に迫られます。 柑橘類の皮は放置しておくと腐敗します。 薬剤によっては、草木に影響が有ります。 |
餌 | 糞場にキャットフードを置きます。 | 糞場から餌場になります。 | 糞の始末屋から、給餌人に昇格です。給餌場の設置・管理(含アリ対策)と、多くの猫や他の動物の出入を許す必要があります。 但し、「ノラネコに餌をやる行為」は、「ノラネコを増やす行為」に直結し、糞害被害者を増やすことになります。実施については、慎重にご判断下さい。 |
超音波忌避装置 | 動物が近づくと、猫には聞こえるが、人には聞こえない高い音(超音波)を鳴らします。 | 臆病で若い猫は、一時的に避けるようです。 しかし、全く気にも止めない猫がいます。 |
音が全く聞こえない猫や、音に驚かない壮年以上の図太い神経の猫には、効果が期待出来ません。音程を変えても、危険がないと判ると、すぐ慣れてしまいます。 一番の問題は、人には聞こえない強力な超音波を長時間照射され、人が内耳をケガしたり、聴覚障害(難聴)になる危険があることです。(法律で販売禁止・使用禁止になっている国もあります。) |
オリ | 餌でおびきよせ、オリで捕獲して、...。 | - |
刑法(器物損壊)・民法(損害賠償)・動物愛護管理法(愛護動物の虐待・遺棄)の対象になります。何しろ、夢見が悪そうです。 |
水掛け・水噴射装置 | 猫に突然水をかけます。 | 猫は、濡れることに身の危険を感じ、どんな猫でも、逃げていきます。 | 昔から猫がうるさい時、人は猫に水を掛けて来ました。ただ、手で水を掛けるには、猫が現れるのを待っている必要があります。 水噴射式猫よけ・猫撃退「ヤード・エンフォーサー」は、赤外線で猫を感知して、安全な水道水をスプリンクラーで突然噴射します。(赤外線感知式なので、ヒト(空き巣など)にも容赦はありません。) |
猫よけの実際 水噴射式の効果
あおば屋の庭も、一時期プーンと臭う時期がありました。色々調べていく内に、この水噴射式の猫よけ・猫撃退装置にたどり着き、実際の効果を確かめることにしました。
水噴射式の猫よけ・猫撃退装置を設置後、「待ちぼうけ」(韓非子の説話)のお話よろしく、猫が来るのをカーテン越しにじっと待っていたのですが、設置しただけで猫が警戒して庭に来なくなりました。何度も繰り返した噴射テストをどこかで見ていたのでしょうか。
でも、やはり猫はやって来ました。庭に侵入した猫を感知した水噴射式の猫よけ・猫撃退装置は、突然のスプリンクラー作動音を発しながら、水を吹き出しました。見事、猫は一目散に逃げていきました。
数匹の猫が水を掛けられた後、猫たちがあおば屋の庭を避け、道路を歩く様になりました。
そこで、一旦、装置を家の中にしまい、猫の学習効果をテストしてみました。
3ヶ月後、猫が庭を歩きだしました。個体差は大きいのでしょうが、猫の学習効果は、短期間しか期待出来ないようです。
今も、水噴射式の猫よけ・猫撃退装置「ヤード・エンフォーサー」をあおば屋の庭に設置しています。でも、肝心の猫が来ません。来て欲しいのに...。水噴射式の猫よけ・猫撃退装置は、カラスやハトなどの中・大型の鳥類を庭から追い払っています。(小鳥には反応しません。)
今朝、久しぶりに猫よけ・猫撃退装置が作動しました。何事かと庭を見ると、猫が庭を一目散に駆け抜け、逃げていきました。アァうれしい。(マタタビ置こうかな...。妻は反対していますが。)
猫よけ・猫撃退・猫退治・猫糞対策
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