基本ゴルフスイング理論の説明です。ゴルフスイングの基本はとても合理的で論理的な
理論に基づいています。ゴルフスイングの基本を理解するため、ゴルフスイングの目的と
ゴルフスイングの理論とゴルフスイングの方法論を解説。

ゴルフスイングの基本 あおば屋

基本ゴルフスイングの理論

ゴルフスイングの基本目的

ゴルフ初心者もゴルフのベテランも、ゴルフボールを思ったところへ飛ばしたいのです。ですから、ゴルフスイングの基本目的は、遠くに、真っ直ぐ、安定して、ゴルフボールを飛ばす事です。

これが出来るだけでゴルフスコアは格段に良くなり、ゴルフコース設計者との闘いという次のステージにも立つ事が出来、ゴルフがさらに楽しくなります。


誤った自己流のゴルフスイングを少しずつ矯正して、正しいゴルフスイングに変化させるのはほぼ不可能です。正しいゴルフスイングを改めて理解し、正しいゴルフスイングを新たに正しく体に覚え込ませる必要があります。


ゴルフスイングの理論1 ゴルフボールの飛距離を伸ばす

ゴルフボールをより遠くに飛ばすには、ゴルフクラブのヘッドスピードを上げる必要があります。そのためには、三つの考え方があります。


(1) 回転軸からゴルフクラブヘッドまでの距離である回転半径を長くする。

(2) ゴルフクラブの回転軸周りの角速度を上げる。

(3) インパクト時の実際のフェース角をゴルフクラブのフェース角より小さくする。

他に、瞬発力を鍛えることもありますが、(1)から(3)が先です。このゴルフスイングの理論では瞬発力の鍛錬については割愛します。


(1) 回転軸からゴルフクラブヘッドまでの回転半径をより長くする

回転半径の短い「手打ち」

前時代のリストターンを用いる手打ちゴルフスイングでは、インパクト時に体の回転を止め、腕の動きが追いつくのを待ち、最後に手首をひねります。手首と左肩関節を中心にして、手と腕が回転運動を行っています。その結果、ゴルフクラブヘッドの回転軸は、体よりゴルフヘッドに近い、へその左前あたりになります。この回転軸からクラブヘッドまでの回転半径は、体打ちの場合より短くなります。


回転半径の長い「US標準ゴルフスイング(体打ち)」

現在のゴルフルールに則る限り、ゴルフクラブヘッドと最も離れ、かつ安定的な回転を得られるゴルフクラブの回転軸は、背骨しかありません。US標準の正しいゴルフスイング(体打ち)では、背骨が回転軸となるため、手打ちより回転半径が長くなります。


(2) ゴルフクラブの回転軸周りの角速度を上げる。

大きな力で大きな角加速度

バックスイングが終わりダウンスイングを始める直前、ゴルフクラブの角速度(*1)は一旦ゼロになり、そこからインパクトに向けて、ゴルフクラブの角速度を急激に上げていかなければなりません。

(*1)回転体の角速度は、単位時間当たりに回転する角度を意味します。(例えば1秒間に30度なら、角速度=30度/秒。)


ダウンスイングは時間が短いので、ダウンスイング初期に大きな角加速度(*2)が必要となります。そして、大きな角加速度を得るには、大きな力が必要なのです。

(*2)角速度の単位時間当たりの上昇割合を角加速度と言います。


大きな力は、大きな筋肉しか出せません。体で最も大きな筋肉は、体重を支える胴体の筋肉(体幹)です。腰痛の時に、体幹の代わりを腕や手の筋肉にさせると、胴体の筋肉がどれだけ大きな力を出していたのかが良く判ります。


すなわち、インパクト時のゴルフクラブの角速度を上げるためには、腕や手首や指の小さな筋肉を使う手打ちではなく、胴体の大きな筋肉を使う正しいUS標準ゴルフスイング(体打ち)を行う必要があります。


小さな慣性モーメント

力の大きさが同じ場合、ダウンスイング初期のゴルフクラブの慣性モーメントを小さくすると、ダウンスイング初期の角加速度が大きくなります。


ゴルフクラブの慣性モーメントは、回転軸からクラブヘッドまでの距離の2乗に比例するので、クラブヘッドまでの回転半径を小さくすれば、慣性モーメントはとても小さくなります。


すなわち、ダウンスイング初期は、クラブヘッドを回転軸(背骨)の近くに保持します。(ダウンスイング初期は、コック動作をしたまま。)


(3) アイアンでは、インパクト時のフェース角をクラブの設計上のフェース角より小さくする。

インパクト時にハンドファーストの形になっていれば、クラブシャフトが傾き、実際のフェース面は、設計上のフェース角より立ち上がります。そのため、6番アイアンは5番アイアンの設計上のフェース角に近くなり、その分、飛距離を伸ばせます。


ゴルフスイングの理論2 ゴルフボールを真っ直ぐ安定して飛ばす

ゴルフボールを真っ直ぐ安定して飛ばすためには、クラブフェースをいつも正面からゴルフボールに当てるゴルフスイングが必要です。

ゴルフボールは停止していますから、ゴルフスイングの毎に、全く同じ体の動きが出来れば良いことになります。


人がゆっくりとした動作をする際、目と各筋肉からの情報を脳が知覚し、フィードバックをかけ、動作を修正しています。このフィードバックには、約0.2秒かかります。


ところが、ゴルフのダウンスイングは0.2秒ちょっとで終わってしまいます。ダウンスイング開始時に異常を感知しても、その修正が行えるのは、インパクト中かインパクト直後になってしまいます。このことから、ダウンスイング中にフィードバックをかける事は、事実上不可能です。


要するに、ダウンスイングが開始した瞬間には、あなたのゴルフボールはどう飛んでいくか、既に決まっているのです。


フィードバックが出来ない状況で、ダウンスイングの動作を安定化させるために、次の三つのことを組み合わせます。

(1) ゴルフクラブヘッドの大きな動きに繋がる小さな動作を行わない。

(2) 個人の骨格・筋力・柔軟性によって決まる、最も運動しやすい動作を行う。

(3) 繰り返し練習して、脳(運動野)に筋肉の動きを予め覚えさせておく。


(1) ゴルフクラブヘッドの大きな動きに繋がる小さな動作を行わない。

要するに、多くの関節を持ち、いくつもの筋肉で複雑に動く、自由度の高い指と手と手首を極力動かさないことです。動作中のフィードバックは出来ないのですから、どれだけ練習を繰り返しても、自由度の高い指や手に、毎回寸分違わぬ動作をさせるのは不可能です。手打ちのリストターンを極めるのは、アマチュアゴルファーには無理だと理解して下さい。


(2) 個人の骨格・筋力・柔軟性によって決まる、最も運動しやすい動作を行う。

フィードバックは出来ないのですから、筋肉でダウンスイング動作を制御することは出来ません。ダウンスイング中は、筋肉に頼らず最も動き易い(=最もエネルギーが低い)動作を体にさせ続けるなら、動作は最も安定します。
この安定したダウンスイングが終了する時に、ゴルフクラブのヘッドが地面に置いてあるゴルフボールに正面から当たるように、ダウンスイングを開始する時の体の形を、バックスイングで作り上げます。


(3) 繰り返し練習して、脳(運動野)に筋肉の動きを予め覚えさせておく。

フィードバックが出来ないのですから、脳に出来るだけ単純化した動きを予め覚えさせておくしかありません。練習は、何も考えずに数多く繰り返すのでは無く、一打毎に一つ一つの運動を意識して行い、脳に覚えさせます。頭に記憶を定着させるには、1日の打球数の多さよりも、初めは数日おき、覚えたら忘れない様に1ヶ月おきに訓練を繰り返すのが効果的です。


理想のゴルフスイング

以上の事から、次の条件を満たせば良い事が分かりました。

・回転軸は背骨。

・回転運動の主役は、胴体の筋肉(体幹)。

・腕や手の能動的動作は、極力行わない。

・個人の骨格・筋力・柔軟性によって決まる制御する必要の無いダウンスイングを行える様に、ダウンスイング開始点の体の形をバックスイングで作り上げる。


基本的な方針

背骨を中心にして、上半身をバックスイングでひねり、これを戻す体幹の力を回転力に使います。

背骨のねじりを最大限にするため、背骨から頸椎までを真っ直ぐにします。


手は、腕とグリップをつなぐためだけに使います。

腕は、上半身の回転に引っ張られて、受動的に動きます。


バックスイング前半で上半身を十二分にひねっておくために、ひざを軽く曲げます。曲がっているひざが前方を向いている状態を保つと、下半身は回転出来ません。

バックスイング後半にコック動作をしておく事で、慣性モーメントを小さくしておきます。慣性モーメントを小さくすれば、ダウンスイング初期の角加速度が大きくなります。

バックスイング後半には、右ひざを軽く伸ばし、さらにねじれを大きくします。


インパクト直前に、クラブヘッドの遠心力に引っ張られてアンコック動作が行われ、回転半径が最大になります。

アンコック動作の終了をインパクトまたは、インパクト直後に持ってくることで、ハンドファーストの状態が作れます。


フォロースイングは、飛んでいくゴルフボールに影響は与えません。しかし、インパクト後にふらつくと、次のゴルフスイングから、ダウンスイングのフォームを無意識に変えてしまいます。これを防ぐため、インパクト直後に慣性モーメントを極力小さくし、大きな筋肉と上方向への体の動きで回転運動のエネルギーを吸収します。


理想のゴルフスイングの方法論

グリップ

手は、ゴルフクラブヘッドの回転軸周りの自然な回転運動を妨げない様に、出来るだけ緩やかに持ちます。

手でゴルフクラブを制御するのでは無く、ゴルフクラブの遠心力に手が引っ張られて動ける様に力を入れません。


セットアップ

ひざを軽く曲げ、骨盤から頭まで、真っ直ぐに保ち、お尻を突き出して前傾します。

手首は、インパクト時にクラブが遠心力で手を引っ張る力が加わっても角度が変わらない形にします。(ゴルフクラブシャフトと左手前腕の角度をおよそ144度にします。)

腕は、重力に従って、真っ直ぐ降ろします。

手首と腕がこの状態のままで、背骨の傾斜角度と立ち位置を調整します。

全身を左右に動かし、リラックスさせ、柔軟性と筋力を上げます。


バックスイング前半

上半身をバックスイングの始めに十分にひねっておくため、軽く曲げたひざを前に向かせたまま、肩・腕・手首・手を動かさずに背骨を中心に回転運動を開始します。このワンピース・テイクバックの動きは、ダウンスイング時にボールに向かうクラブヘッドの回転面(軌道面)を決める動きにもなります。シャフトが水平になるまでワンピーステイクバックを行えば、上半身は十分にひねられています。


バックスイング後半

ワンピース・テイクバック終了後、高速で運動しているクラブヘッドの回転運動に沿って、自然にコック動作を行いつつ、腕を引き上げ、右足のひざを少し伸ばし下半身のねじれを付け加えていきます。これで、制御の必要の無いダウンスイングが行えるダウンスイングの開始点に到達します。


ダウンスイング

下半身のねじれを戻す動きを開始すると、上半身が引っ張られ回転を始めます。更に上半身に引っ張られ腕が降りてきます。手首は、コック状態を維持します。

インパクト直前に、アンコック動作を開始し、ハンドファーストの状態でクラブフェースがゴルフボールと衝突します。クラブはそこからさらに下がり、芝を削り、アイアンやウエッジの場合には必ずディボットが作られます。


フォロースイング

インパクト直後、アンコック動作を行い、右腕が水平になった時にはクラブは空を向かせます。

左ひざは伸び、右足は目標に向かい、左足の隣に来ます。



一連の理想的ゴルフスイングの実際は、「ゴルフスイングの基本」のページをご覧下さい。



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