フォロースルーの真の目的
インパクト後のフォロースルーは、既に空を飛んでいるボールに、何ら影響を与えられません。フィニッシュだけ格好を付けても、あとの祭りです。
インパクト時に、クラブヘッドとボールが接触しているのは約0.0005秒間=2000分の1秒だけです。
フォロースルーの真の目的は、インパクト後に体をふらつかせずに回転を停止させることです。
人の体は「ある動作」を行って体がふらつくと、次回は動作後にふらつかない様に、無意識に「前回と違う動作」をしてしまいます。
正しいダウンスイングを行ってもフォロースルーで体がふらつくと、次回は、正しいダウンスイングが決して出来ません。
ゴルフスイングを安定させるためには、ゴルフスイング後に、体がふらつかないフォロースルーが必須になります。
フォロースルーの考え方
インパクト後の短時間に、体が屈曲出来る範囲内で、重心を両足の範囲内に抑え(ふらつかず)、ゴルフクラブを停止させるには、次のやり方が考えられます。
(1) クラブヘッドと回転軸(背骨)の距離を短くする。
(2) 回転軸に近い大きな筋肉で体の回転を止める。
(3) 体を上方向に動かし、クラブヘッドの上方向への運動エネルギーを吸収する。
尚、昔のゴルフスイングでは、右足の下に重心を置いたままにするダウンスイングや、背骨をケガをするくらい目標の反対方向に反らすフォロースルーが用いられていました。
(1)は、インパクト直後にコック動作をする事で、クラブヘッドの慣性モーメントを小さく出来ます。
(2)は、ダウンスイングと同じく、回転軸に近い体幹の筋肉で大きな力が使えます。
(3)は、フォロースルー後半、左ひざを伸ばす事で体を上方向に動かし、クラブヘッドと体の相対速度を減少できます。
(1) (2) (3)でフォロースルーを組み立て、体のふらつき無しに、クラブのヘッドを停止させます。
フォロースルー 前半 の動作
フォロースルー前半は、インパクト直後から、右腕が水平になるまでです。
コック動作
インパクト直後から、コック動作を開始し、右腕が水平になるまでに完了します。フォロースルーで最重要の動作です。
コック動作は、水平に置いたフライパンの持ち手を両手でグリップし、腕を動かさず体の方に傾ける手首の動作です。
正しくコック動作をすると、右腕が水平になった時、ゴルフクラブのヘッドは空を向きます。
ゴルフスイング練習器具「ツアーアングル144」は、赤い腕と左前腕の接触が無いことで、コック動作が正しく行われたことを知らせてきます。
コック動作を忘れると、右腕が水平になった時、ゴルフクラブのヘッドは目標を向きます。
ゴルフスイング練習器具「ツアーアングル144」は、赤い腕と左前腕の接触が有ることで、フォロースルー動作に誤りがあったことを知らせてきます。
フォロースルー 後半 の動作
フォロースルー後半は、右腕が水平から、フィニッシュまでです。
体幹でのブレーキ
ゴルフヘッドの運動速度を減らさないと、ゴルフヘッドに引っ張られ、体の重心が左足の接地面の外側に移動し、ふらついてしまいます。
上半身がねじれるだけで、相当の回転エネルギーを吸収できますが、右腕が水平を過ぎたら、体幹の筋肉で回転にブレーキをかけます。
足の動き
右腕が水平を過ぎたら、左ひざを伸ばし、右かかとを上げ、体を上向きに動かします。全体重は、左足にかかります。
右腕が水平を過ぎた時点で、クラブヘッドは空を向き、上斜め後ろ向きに運動しています。体を上方向に動かし、クラブヘッドと体の上方向への速度差を減少させます。
背骨の動き
右腕が水平を過ぎたら、足の動きが始まりますが、それに合わせて、前傾した背骨も起こしていきます。
体を後方に動かし、クラブヘッドと体の後ろ方向への速度差を減少させます。
腕の動き
右腕が水平になった頃から、左ひじの関節が曲がり始め、右腕が上方45度程度に上がったところから、右ひじの関節も曲がり始めます。
この関節の曲がりで、回転軸とクラブヘッドの距離が短くなり、慣性モーメントが更に小さくなり、クラブヘッドが停止しやすくなります。
頭(首)の動き
右腕が水平になった頃には、首を回し、目標側に顔を向けます。
インパクトを過ぎたら、顔をボールの位置に向けている必要はありません。体幹でのブレーキを邪魔しない様に頭を動かします。
ゴルフスイング練習器具「ツアーアングル144」で、正しいフォロースルーが容易に身につきます。